地域で違う葬儀マナー

秦野農協葬儀

通夜の後には、食事を取りながら故人を偲んで語らう時間を持つのが一般的ですが、この通夜料理には東西で違いがあります。東日本では、遺族が参列者にも通夜料理を用意し、寿司や煮物などをふるまう通夜ぶるまいがあります。参列者は通夜ぶるまいの席で、故人を偲びながら食事に箸をつけ、飲み物で口を湿らせてから帰ります。西日本では、この通夜ぶるまいの習慣がありません。通夜の後には、親族など近親者のみで食事の席を囲みます。というのも、通夜ぶるまいとは、遺族が料理をふるまうことで、故人の功徳(くどく)を積むという意味があり、参列者が故人を偲んで飲食することで、故人への供養になると考えられているからです。ご自分の暮らす地域の常識が、必ずしも他の地域の常識と同じとは限りません。ひと山越えただけで、葬儀と火葬の順番が変わってしまうこともあるのです。思わぬマナー違反を避けるためにも、葬儀に参列した際は、ご自分の常識よりも、その場の案内に従うようにすると良いでしょう。

 

群馬県や長野県などでは新生活運動という習慣があります。
これは、戦後に広まった冠婚葬祭の儀礼を廃止し、生活を合理化しようという運動が現在まで残っているものです。この新生活運動が根ざした地域では、葬儀で「会社関係」「一般」といった受付案内のほかに、「新生活」という受付が設けられています。「新生活」で参列した人は香典額を1,000円とし、返礼品を受け取らないという習慣があります。香典に使用する紙幣は、新札を使うと「前もって死を予期して用意していた」という意味があることから、すでに使用して折り目のついた古いお札をお包みします。新札しか用意できなかった場合でも、折り目をつけてお包みしましょう。

 

最後に香典袋の表書きですが、葬儀への参列の場合は「御霊前」を使い、四十九日法要への香典から「御仏前」を使います。